宿題泡盛部 38蔵目:太平(津波古酒造)レポート
2021年 01月 25日
参加人数:12名
瓶詰め日:2019年12月2日
今日のかりんとう:「多胡麻」
【TASTING DATA】
*水割り〜ロックは各呑み方を各自5段階評価で採点。その点数を集計したものです。
◎水割り(冷水割 alc.約12.5%に調整):49点
◎お湯割(各自で作成):47点
◎ストレート:51点(ave.=4.3)
◎ロック:44点
*主宰・梅田のコメント*
昨年の12月に杜氏の大城さんが61歳で急逝されたそうです。職人気質の真面目な方だったとの事ですので、泡盛部でも是非お話を聞きたかったですが、とても残念です。追悼の意を込めての回となりました。合掌。
さて今回はどんな味わいでしょう。
以下、梅田のテイスティングコメントです。
・水割り:酸味を帯びた香りで、古風な泡盛を思わせる個性的な香り。香りに引っ張られるものの、口当たりは優しく甘い。やや渋みもあるので「甘渋い」という印象。
・お湯割:こちらも酸味を帯びた香りだが、草のようなニュアンスも。これも口当たりはソフトだが、後口は相当渋く薬草を噛んだ感じ。
・ストレート:柔らかなヨーグルト香。ツンとした口当たりながら、口の中では甘味と渋味が程よく余韻として広がって良い感じ。(その後、ちぶぐゎで呑んだら最高でした)
・ロック:香りは控えめに。奥に引っ込んだ感じ。お湯割同様に薬草系の渋みがギュッと際立った。和服で土間で飲みたい味。
(ちょい水足しで劇的に変わり、すごく美味しくなった by 鶴さんアドバイス)
多胡麻かりんとうとは、お湯割とが最高によかったです。
甘味がパーっと広がり、酒の渋味が抑えられ、胡麻の味が出てくるというフロー。
酒の印象が近かったロックにも合いました。
みなさんのコメントも、びっくりするほど「お湯割」との相性良し多数でした!
【音楽】ご参加者の脳内に流れた曲
ブルース・スプリングスティーン「ネブラスカ」、ブレッド&バター「あの頃のまま」、谷村新司「昴」、Camilo「Vida de Rico」、Blood Sweat &Tears「Spinning Wheel」、CHAGE&ASKA「LOVE SONG」、中島みゆき「ファイト!」、official 髭ダンディズム「Pretender」、秦基博「鱗」、GODIEGO「Thank you ,Baby」、子門真人「およげ、たいやきくん」
【料理・肴】ご参加者の願望
炙ったイカ、レーズンバター、味噌田楽、金目鯛の煮付け、鮭の酒粕汁、チーズ、ほっけの塩焼き、ビターなチョコレート、さつま揚げ、ちくわぶ&カモのバター炒め、しゅうまい、わらび餅
【キャッチコピー】を考えよう
・「男一匹、弾き語り。唄う泡盛」
・「アタイとアンタの太平」
・「みんなで暖まろうよ!”太平”で」
・「落ち着きを取り戻す”太平”」
・「た:いへんな毎日 い:つ終わるのか へ:い時になって、まず皆で飲む い:っぱい。その酒”太平” 願いを込めて」
・「島酒の大幹部!”太平”」
・「昔ながらの泡盛が”太平”」
・「ビター系泡盛”太平”」
・「悲しいことは甘い水で流そう・・」
・「平和の世に”太平”だしょ!」
・「グラスの中の異世界」
・「三世代で飲んでほしい”太平”」
【オリジナル割(任意)】
・ハイサワー梅:ハイサワーが勝つけど、妙に下町の味になって良い
・豆乳:苦味がUPした。ちょっとバランスよくない
・モリンガ茶:お茶が淡い感じなので割り負けする。泡盛が勝つ!
・DITA
・燗酒に”あたりめ”を入れて:生臭さにも負けない、骨太を感じてよし
・三ツ矢フルーツソーダ プラム味:旨し
・午後の紅茶おいしい無糖割:渋味が強調されます。ちょっとキツイかも。
・Skalゴールデンパイン割:元が甘いので割ってもそのままの味。(泡盛わからず危険!!)
・つぶらなカボス
・伊藤園生オレンジティー:オレンジの苦さが目立つ。いまひとつ。
*****
【再録 第六期:太平(津波古酒造)レポート】
「平和の酒」
泡盛は平和の酒である。そう断言して異論はないだろう。
「太平」はまさにその名の通り、平和を想起させるネーミングだ。
世が太平だから幸せに酒が呑め、古酒が代々受け継がれていく。
地球と太陽を表わすという話の中に泡盛らしい髭文字が鎮座。そのシンメトリーに神々しささえ感じる。
背景に描かれた桜がまた日本の平和の象徴とも言えるが、蔵のある与儀に咲く桜を描いたのであろう。
日本酒のラベルのようにも見えるが、淡い色彩といい、とても穏やかなデザインだ。
「昔ながらの」
その平和なラベルを眺めながら、まず水割りを口にしてみる。
香りはオーソドックスでクラシックな泡盛の香。
水割りでありながらパワフル。
甘みとまろやかさの中に芯の強さを感じる味わいだ。
それが割燗(前割の燗)になると一転して辛口の印象に変わる。
渋み・苦味を伴いながら辛みが口中を駆け抜ける。
渋さの中に、土の香りが感じられ玄人好みと言えよう。
ストレートは水割り同様のパンチ力。
カッと来るアルコール感は古酒での伸びを予感させる。
ロックでは、冷たくなることで割燗で特に感じられた土臭さが隠れ、一般的には呑みやすくなる印象だ。
呑み方でそれぞれの主張があり、「昔ながらの」という言葉が似合う酒質だ。
「円満な卓」
こうしたパンチ力のある泡盛には少し濃い目の味の肴が良いだろう。
東北の日本酒を思わせるラベルも影響してか、山形の郷土料理の鯉や棒鱈の甘辛煮やすき焼き、肉じゃがなどの醤油ベースのものが食べたくなる。
しかも、酒と肴だけでなく、白飯も一緒にだ。
丸い卓袱台の上に、茶碗にまん丸に盛られたご飯。丸いどんぶりにたっぷりと入れた煮物。
そして、酒も丸い湯呑みで。もちろん「太平」の丸がさらに加わる。
全てが丸で揃い、そこはまさに「円満な卓」となる。
「我が良き友よ」
泡盛は平和の酒であると共に「友の酒」だ。
持論だが、泡盛を美味しく呑む方法の1番目は「独りで呑まないこと」だ。
友と語りながら酌み交わすことが泡盛の美味しさを一段高めることに大きく役立つことは間違いない。