宿題泡盛部 30蔵目:神泉(上原酒造)レポート
2020年 11月 23日
参加人数: 8名
瓶詰め日:2020年3月10日
今日のかりんとう:「黒糖」
【TASTING DATA】
*水割り〜ロックは各呑み方を各自5段階評価で採点。その点数を集計したものです。
◎水割り(冷水割 alc.約12.5%に調整):27点
◎お湯割(各自で作成):29点 *5点1名
◎ストレート:29点 (ave.=3.6) *5点2名
◎ロック:24点
*主宰・梅田のコメント*
上原酒造さんは造りにおいて「マイナスイオン技法」を取り入れています。備長炭やマイナスイオン発生装置により原料の水や米を良質化。独自のアプローチで造られる泡盛、さて今回はどんな味わいでしょう。
以下、梅田のテイスティングコメントです。
・水割り:香りはしっかり。硬い米の香りという印象。ふっくら香ばしいという香りではなく力強い甘い香り。水なじみは良いように思うけれど硬質な感じ。角刈り男子とか生真面目なサラリーマンのような。
・お湯割:少しほっくり感が出て、甘酒的な麹の香りに。これも水なじみは良い様に思う。少し苦みはあるが日本酒のお燗酒の様な感じ。
・ストレート:オイリー&乳酸香。飲み口はわりと優しく、そして香ばしい。そこからアルコールの辛味や揮発性を感じる。
・ロック:香りは抑えられ、香ばしさも抑えられ、苦味が引き立って、焦げっぽい印象に。
黒糖かりんとうとは、個人的にはお湯割りとがベスト。
お酒の苦み部分を黒糖の甘み(&軽いえぐみ)とで中和。なんだかホッとするマッチング。
他の飲み方でも総じて近い印象だがマッチングのバランスではお湯割が一番でした。
みなさんからのコメントも概ね好評。
「黒糖と泡盛」自体の相性の良さを再認識するような感じです。
「ウイスキーにチョコレート」のような名コンビに、「ブランデーにチョコレートボンボン」のような感じに、というコメントがありました。
【音楽】ご参加者の脳内に流れた曲
マイケル・シェンカー・グループ「into the arena」、aiko「ハチミツ」、吉川晃司「LA VIE EN ROSE」、松田聖子「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」、矢野顕子「春咲小紅」、GODIEGO「Stop&Look around」、「イヨマンテの夜」、泉谷しげる「春のからっ風」
【料理・肴】ご参加者の願望
うなぎの肝串、アボカド、焼き芋、おでん・焼き魚・納豆などシンプルな和食、筑前煮、山菜の天ぷら、一夜干しするめ、チーズケーキ
【キャッチコピー】を考えよう
・「泡盛・真面目派」
・「神ってる〜」
・「優しくて手強い」
・「いつも新鮮=神泉」
・「ビターなBodyに華やかな装いをまとって」
・「涼し気な横顔」
・「やさしく強く、ゆったりと純米」
・「ラベル買いするかも〜」
【オリジナル割】何かで割ってみよう *任意
・ソーダ割り:苦みだけ残る。人工甘味料っぽい。
・つぶらなカボス
・酸味のあるコーヒーを自家ドリップ:酸味が抑えられ、苦みが適度でよし。
・ソーダ割り:後味が苦い
・伊藤園 生オレンジティー割:オレンジらしさも紅茶らしさも消え、甘みのある飲料に。
・午後の紅茶おいしい無糖割:甘さを感じることができるけど、舌に渋みが結構残ります。
*****
【再録 第六期:神泉(上原酒造所)レポート】
「桃源郷」
泡盛部で検証している一般酒のラベルの中で、個人的にはTOPクラスで好みのラベルだ。
紅型の美しさに東洋的な神秘さを併せ持ち、桃源郷という言葉が浮かんでくる幽玄なデザイン。
散りばめられた花や葉は、飛び交う蝶のようでもあり、酔いに身を任せて心地よく舞う様を表しているよう。
優美な酔いを期待させる。
「上等な金宮!?」
今回トップだったのはストレートだ。
正直、全体を通して「コレ」という強いインパクトは無い。
味わいは甘さと辛さ(苦さ)が右➡︎左へと流れていくような印象。
アフターの印象からすると、スッキリ系に分類されると思う。、
ストレートでは、口の中での変化のスピードが一段と速くなり、まるで甲類焼酎のような印象さえ受ける。
「上等な金宮」というコメントも飛び出した。
香りは練乳のような、濃厚なミルク&オイルの香り。
舌先では甘いのに、口に入るやいなやアルコールの絡みが蜘蛛糸のよう広がる。
しかし、その後、舌全体に膜をかけるようにほのかな甘みに包まれる。
ストレートから呑み始めると、これは刺激の強さのように感じるが、水割り、割燗から始めると、
これが刺激的な楽しさと感じられてくる。
水割りから始めた5期と今回は「ストレート」が選ばれ、ストレートから始めていた4期以前は「水割り」「お湯割」が選ばれていたところからそんな風に感じる。
「 がっぷり四つから往なし合う」
味わいは比較的スッキリ系だが、爽やかとかフルーティーとかというタイプとはまた違う。
そんな時のおつまみは??
うん、ここはいっそ味の濃いソース系のものが良い。
寄り添い合うとか、洗い流すとかではなく、がっぷり四つから左右に往(い)なし合う感じ。
洋食屋の単品料理、スペインバルのタパス(煮込み系)、祭り屋台フードのソース系。
ソースたっぷりのものや、ソースにうずまってる感じのものがいい。
3桁でおさまるリーズナブルな価格なのに手の込んだ一皿とガツンとぶつかってからの
右へ左へ。押したり引いたりをやりあう。
そう、ここはやりあうのだ。
「現実的」
さて、話はラベルに戻る。
このラベルを見ながら、飲んで浮かんだ曲はNirvanaの「come as you are」
https://www.youtube.com/watch?v=vabnZ9-ex7o
今回、ラベルからのイメージと味にはギャップがあった。
それ故にフードにもパンチ力を求めた。
僕のイメージより、味はもう少し現実的だったのだ。
桃源郷で舞っている自分。
しかし、なぜか身にまとっているのは普段着。
「そのままで来いよ」
期待なんてしないでくれよ。
それが一番心地よい酔いを得られる方法だぜ。
と酒が語ってくる。
サステインの効いたギターの音色とカート・コバーンの悲痛な声。
それは現実と幻を行ったり来たりしているよう。