泡盛部 第八期3蔵目:春雨(宮里酒造所)レポート
2018年 10月 29日
泡盛部 第八期3蔵目:春雨(宮里酒造所)レポート
参加人数: 13名
瓶詰め日:2018.5.19
今日のかりんとう:「梅ザラメ」
【TASTING DATA】
◎ソーダ割 (○=イケてる ✖️=イケてない)
○=9 ✖️=4
*水割り〜ロックは各呑み方を各自5段階評価で採点。その点数を集計したものです。
◎水割り(冷水割 alc.約12.5%に調整):49点
◎お湯割(各自で作成):41点
◎ストレート:55点(ave.=4.2)
◎ロック:47点
*主宰・梅田のコメント*
先週に続いてアワード大賞銘柄となりました。
こちらは第3回と第5回、今のところ唯一2度大賞に選ばれた銘柄です。
今回、僕の感想としては、ストレートとロックがどちらも秀逸でした。
酒の持つ複雑み(甘い・辛い・渋いなどなど)が、アルコールの中に渾然と揺らめいていて
酒の深さを感じました。
ストレートで感じられたそれらが、ロックではぎゅっと引き締まって、それぞれが際立ち、存在感をアピールしてきました。
梅ザラメかりんとうとの相性は、水割りでは味がぶつかっていたのが、その他ではかりんとうの味を冴えさせて
ロックでは酒の味同様に、梅ザラメの甘み・酸味・塩みをはっきりとさせてベストマッチングでした。
【呑みたい場所】山手線編(駅名)
・品川 (東京や上野よりも、現在”外”に向かっているターミナルという印象だから)
・目白 (高級感)
・恵比寿
・有楽町(中央通りを見下ろせるくらいの高さの店で)
・恵比寿or品川
・東京 (王道!ということで)
・代々木
・目白
・大崎
・巣鴨
・恵比寿(ハイソな感じのお店で)
・渋谷
・新宿 (歌舞伎町)
【料理・肴】ご参加者の願望
アワビの姿煮、チョコレート、羊肉のロースト、唐揚げ、ビターチョコレート、シフォンケーキに甘さ控えめの生クリームをたっぷり添えて、サンマの松前煮、おでんの大根(ななえ町)、鮎の甘露煮、春雨のマヨネーズ和え、チャプチェ、ちらし寿司、青椒肉絲、十割そば
*当日実際に食べたものはこちら!
【音楽】ご参加者の脳内に流れた曲
町田義人「戦士の休息」、松田聖子「上海倶楽部」、山下達郎「RIDE ON TIME」、UA「かすかなしるし」、今井美樹「DRIVEに連れてって」、小椋佳、村下孝蔵「踊り子」、「春よ来い」、やしきたかじん「明日になれば」、THE MOPS「御意見無用」、SIAM SHADE「Rain」
【ラベル】ラベルについてアレコレ
・色々と表示要素が増えてしまい混雑してる感じ
・中国っぽいイメージ
・落ち着き 王道
・短冊のキッチュな感じと春雨の文字の真面目さがアンバランスだけどいい。
・ザ・沖縄!!で泡盛とわかりやすい。好きです。こういうの。
・春雨のフォントが良い。オレンジ色のニクイ奴
・*はツチノコなの?
・カリーと春雨の字体のバランス考えて欲しいな
・お祭りな〜
・高級感があるのに白
・めでたいものてんこ盛りのコンセプト通りで良い
・あまり気にしなかったけど髭文字なのね
・そこはかとなく和風な、風格のある佇まい
*****
【再録 第六期:春雨(宮里酒造所)レポート】
「前置き」
「カリー春雨」は泡盛部アワモリアワードの第3回&第5回の大賞銘柄である。
選考方式や選考メンバーが随時変わる中、2度の大賞になったことは純粋に凄いことだと思う。
泡盛部ではひたすらに「一般酒」にこだわって活動している。
一言に「一般酒」と言っても各蔵元さんの考え方や規模によって、そのポジショニングは違ってくる。
泡盛部では、いわゆる3合瓶(600ml):透明瓶を使って検証しているが、
それは泡盛部のテーマでもある「日常」に最も近く、沖縄らしさを感じる規格で、さらに、各蔵の比較検証に適した標準規格だからだ。
しかし宮里酒造所さんでは、この規格の商品を造っていない。
そのため、宮里酒造所における「一般酒」=基本の一本となる4合瓶(720ml):黒瓶で検証している。
標準とは
過去2回、表彰式を兼ねた工場訪問で、宮里徹社長のお話をじっくりと伺う機会を得ている。
現在に至る経緯を伺う中で特筆すべきは「探究心」だ。
仮説と検証を繰り返す実行力こそが宮里さんの真髄である。
そこには自社商品だけではなく、「泡盛の標準(スタンダード)はもっともっと底上げできるのでは」という
泡盛全体への挑戦でもあるように感じる。
「カリー春雨」が宮里酒造所にとっての標準=一般酒であるからこそ、それを基準にして他銘柄の違いがはっきりとする。
「30度一般酒」はその蔵の基準であってほしい。
泡盛部の基本となる願いに対して「カリー春雨」はとても真摯に応えてくれているのかもしれない。
一般酒の魅力とは
とても根本的な話だが、魅力的な一般酒とは?
その答えの一つは、味の延長線上に古酒が見えるか、だと思う。
当然、「今」を呑む酒としての評価はあるが、心惹かれるものには奥行きがある。
その奥行きを無意識に感じられるもの。
「一般酒」は古酒への導線で、それをあえて「今」楽しむというスタンスであれば望ましい。
「カリー春雨」の魅力は明確にそれを感じられるところにある。
時に懐かしく。時に力強く。
今や、「春雨」というブランドに気構えてしまうところがあるが、ここでは心をフラットにして呑んでみる。
水割り(前割)では古風な香りがのぼり、口に含むとカカオのニュアンス。
落ち着いた味わいは、泡盛"らしさ”のエッセンスが抽出されている。
やわらかく湿った空気が身体全体を包んでくれるような懐かしさと安心感がある。
今回一番人気となったロックでは、その印象に力強さが備わる。
香りはやや控え目になるが、味のベクトルはググッと上がり、輪郭がはっきりとする。
そして、かくしゃくとした風格のある味わいが現れる。
実はデータを見てみると、過去には「ストレート」「お湯割」「水割り」が1位となっている。
今回の「ロック」で、4種全てが一位評価を得た。
ただ、今回も一位は「水割り」と同数だったので、水割りの人気が高いことが見受けられる。
それは、水割りにしても味にしっかりとした芯があり、アルコール感の薄い飲み口でありながら、飲み心地が豊かという、呑んべえにとって理想的な状態で、すなわち満足度が高いということなのだ。
(注*今回の一位評価は「ストレート」でした)
「春雨日和」
この日、部活はまさに「春雨日和」。
ぬくい風が吹き、静かな雨が降る春の宵。
年度始めの慌ただしい時期も過ぎ、雨の夜でも部員が多数集まった。
粛々と進むテイスティング。
ひとりひとりが泡盛に向き合い、意見を交わすひと時。
そう、「春雨」は向き合う酒なのだ。
自分と。
仲間と。
にぎやかにではなく、おだやかに。
外の雨音がそれを演出してくれた。
【部員さんからの貴重な差し入れ泡盛コーナー】
部員の白井さんより、いわゆる春雨の「ラメ」43度です。
詰め日が2006年10月9日なので、瓶熟12年!
さすがのラメ。米飴のような練られた甘さ、酸もあるし、渋みも深い。いつもテイスティングしている「カリー」よりも渋みが深い。
白井さん、ありがとうございました!
【今日の竹内さん】今期も引き続き