泡盛部 第六期32蔵目:宮之鶴(仲間酒造所)レポート
2016年 10月 06日
泡盛部 第六期32蔵目:宮之鶴(仲間酒造所)レポート
日時:2016年9月29日
参加人数:12名
仲間酒造所は1948年(昭和23年)、宮良湾を望む地に創業しました。
ラインナップは基本的には宮之鶴のみ。
おなじみの鶴のラベルは創業当時からのものだそうです。
(※泡盛部では(株)サンドリンク限定流通ラベルのボトルを使用しております。)
その生産量はとても少なく、古酒として貯蔵することも限られています。
一時は存続も危ぶまれていましたが、現在は後継者が黙々と静かに仕込んでいます。
2016年の合宿にて、泡盛部アワモリアワード「ラベル部門」2年連続大賞の表彰をさせていただきました。
飲み方人気ランキング:
1位:ストレート(5票)※2位:4票
2位:水割り(5票)※2位:2票
3位:割燗(1票)
3位:ロック(1票)
①水割り②お湯割り③ストレート④ロック の順番で、参加者皆で足並みを揃えて飲む方式となっております。
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「石垣島の風が吹く」
誰もがほわっとした気分になる鶴のラベル。
泡盛三原色も若干ソフトな色合いになっていて、鶴のイラストと共に島のゆるい時間の流れを思い起こさせる。
この瓶があるだけで、そこには石垣島の風が吹いてくるようだ。
風に乗って飛んできた鶴が降り立ち、泡盛を盗み呑み。
ほのぼのとした様子。
ところで、鶴って石垣島にいるのかしら?
「”風”の味」
水割りの入ったグラスを鼻に近づける。
パワフルな香りが立ちのぼる。
土のようなニュアンスがあり、とても素朴な香りだ。
味もしっかりしていて、水割りにして「泡盛呑んでる感」が強い。
割燗では一転して、甘い香りが主張してくる。甘み→ほろ苦味の後にほのかにトロピカルフルーツが現れる。
ストレートの香りは芯が太くなる。しかしストレートの割に口当たりは優しくスムーズな入り口だ。
甘さ・香ばしさが口に広がり、アフターに若干のカカオも現れる。
ロックでは、香り・味ともに引き締まり、呑み口は良いがこうして呑み比べるとやや個性に欠ける。
呑み方により香りの変化が楽しめる。
そして味全体を通して感じられるのは、湿り気を帯びた風。
口に含むと島に連れて行ってくれるような”風”の味。
「低い視線で」
こんな味わいの泡盛は土の器で呑みたい。
ボトルを開けたら、初日はストレートをお猪口でちびちび。
冷たいお水をチェイサーに。
減った分だけお水を足して翌日は前割の水割り。
これは冷やさず常温で。
濃いめなら大きめのお猪口、薄めなら湯呑みで。
そしてまだ残ってたら、適量の水を加えて冷蔵庫に。
3日目は冷えた薄めの前割り第二弾を陶製のタンブラーで。
冬場はやかんのお湯を携えて、お湯とお酒で差しつ差されつしながら湯呑みに注いで楽しみたい。
テーブルじゃなくてちゃぶ台。
イスじゃなくて直座り。
低い視線で腰を据えて呑りましょう。
「しみたもの」
つまみには「すき焼き」。と言っても、すき焼き鍋を使った煮物のようなもの。
具にはすき焼きモノを一式の他に練り物やお芋なんかも。
肉じゃがでもいいんだけど、鍋から直接つつきたい。
それも熱々じゃなくて、冷めて味がしみたもの。
少し濃いめの味付けが「宮之鶴」の香ばしさとがっぷり四つで相見える。
ストレートでちびちびもよし、水割りでもぐもぐもよし。
お口直しにおひたしなんかの小鉢を添えて。
「砂浜」by 杏里
お腹も満たされ、ほろ酔い気分でゴロンと横になる。
目を瞑ると昔のことがとりとめもなく瞼に浮かんでは流れていく。
ゆるいラベルと風の味。
のんきな中にも少しだけ、憂いの味がする。
「今日の泡盛を一語で表すと・・」
「朴訥」
*****(text by 梅田竹松)
当日の様子
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