泡盛部 第六期43蔵目:一本松(北谷長老酒造工場株式会社)レポート
2017年 02月 08日
泡盛部 第六期43蔵目:一本松(北谷長老酒造工場株式会社)レポート
日時:2017年2月2日
参加人数:7名
北谷長老酒造は、首里の赤田町の本家から暖簾分けし現在の北谷町で1894年に創業しています。
当時は玉那覇酒造工場として、現在の名称に替わったのは2006年のことです。
代表銘柄である「北谷長老」は、少量生産であることと、その味が評価され、一時はとても手に入りにくいこともありました。
今回いただくのは一般酒の「一本松」。
琉球芝居の「丘の一本松」の舞台が北谷町であったことから、
その名が付けられました。
飲み方人気ランキング:
1位:ストレート(3票)※2位:1票
2位:水割り(3票)※2位:0票
3位:前燗(1票)
4位:ロック(0票)
①水割り②お湯割り③ストレート④ロック の順番で、参加者皆で足並みを揃えて飲む方式となっております。
*****
「匂い立つ男気」
紫色を背景の基調とし、力強い筆文字の「一本松」。
南の島の酒とは思えぬ、潔さと物悲しさを併せ持った、妙に男気の匂い立つデザインだ。
頑固者の親父が登場する琉球芝居・民謡の「丘の一本松」に由来するネーミングとのことなので、それを踏まえると納得がいく。
「直球勝負」
ラベルから来るイメージ通り、味わいも渋い。
呑み方による大きな変化はなく、甘味から辛みへの変化はスピーディー。
そして渋みを伴って、アルコールの揮発性を思わせるシャープなフィニッシュへと向かう。
そう、口の中を一本気な味が通り抜けていくようだ。
香りの要素は非常に豊かで、ウォッカを思わせる濃醇なアルコール香と共に、メロンリキュールのようなフルーツ系の香りが広がる。さらに、バニラやカカオ、バナナなどの強いタイプの香りも潜む。
香りと味わいの特性を楽しむにはストレートかロックがオススメか。
ストレートなら小さなショットグラスを手で包むようにして人肌に温めながら楽しみたい。
「香りと味の融和点」
豊かな香りは熟成によって、より一層花開くタイプのように思う。
今回呑んだボトルでは、なんとなく香り成分と味わいの融和がまだ若いように感じられた。
もちろん、一般酒として「今」の味を楽しむことはできるのだが、少し熟成が進むことで、より一層バランスが整うポイントがあるように思えた。
個人的な話だが、この蔵のフラッグシップ「北谷長老 古酒25度」が一番最初に好きになった泡盛だ。この香りの豊かさは古酒の旨味へと繋がる構成要素の大きな一つと考えられる。
「脂と酸」
おつまみにはベーコンやソーセージなんかいい。
肉の脂身の甘み・旨みにマスタードの酸味。
「一本松」のまっすぐな味わいに燻製香や肉汁が絡み合う。
そこに柔らかな酸味がアクセントを加える。
ザワークラウトを一口挟んでみてもいい。
魚であれば、炙り〆鯖。ケッパーやディルを添えて。
こちらも脂と酸が混じり合い、「一本松」がその間を通り抜けていく。
「古びたバーの片隅で」
古びたバーで、そんなつまみを頬張りながら、小さなショットグラスで杯を重ねる。
空腹と酒欲を満たしながら時が進む。
そんな夜には、松田優作の歌声とリズムが心地いい。
「今日の泡盛を一語で表すと・・」
「男気」
*****(text by 梅田竹松)
当日の様子
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