泡盛部 第六期40蔵目:豊年(渡久山酒造)レポート
2017年 01月 04日
泡盛部 第六期40蔵目:豊年(渡久山酒造)レポート
日時:2016年12月22日
参加人数:7名
伊良部島の渡久山酒造の創業は1948年(昭和23年)になります。
「宮の華」と同じく以前は渡久山酒造も女性杜氏だったようです。
蔵の規模は小さく家族で酒造りをしています。
代表銘柄の「豊年」は、伊良部島の豊作を祈願して名づけられました。
他に25度の泡盛「ゆら」が近年新しくラインナップに加わりました。
部員のYさんの弟さんの同級生の蔵とのことで、合宿の際に見学させていただきました。
最新の商品は7年古酒「渡久山研悟」。4代目の名前を冠した入魂の品。
飲み方人気ランキング:
1位:水割り(4票)
2位:ロック(2票)
3位:ストレート(1票)
4位:割燗(0票)
①水割り②お湯割り③ストレート④ロック の順番で、参加者皆で足並みを揃えて飲む方式となっております。
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「働く男」
黄昏時、沈みかける陽の光が稲穂を照らすほんのわずかな瞬間を切り取ったような色合いのラベルは一見地味だが、見ているとじわじわと味わい深さを増してくる。
「豊年」の文字には男らしい息吹を感じる。
他の文字要素を排除して、力強さと潔さを備えた題字と背景だけを見ると、島の田んぼで黙々と働く男の姿が浮かんでくる。
「絵は体を表す」
宮古島の酒は水馴染みが良い。
この酒も御多分に洩れずそうだ。
甘く豊潤な味が口の中を覆い、その後に辛みがやってくる。
しかし、その中に柑橘系の爽やかさとほろ苦さが含まれている。
この進行変化が次の一口へと導く。
穀物系の香ばしさに島の素朴さがあり、島の泡盛という存在感を感じる。
粗野な印象はなく、酒造りに対して真面目に向き合い、模索を重ねて丁寧に「自分らしい味」を探っているような印象を受ける。
ラベルデザインあっての酒造りということはないかもしれないが、ラベルから受ける印象と味の印象がとてもマッチしていて、イメージの統一感を図っているようにさえ思わせる。
「一日の労をねぎらう」
ラベルと味から受ける印象に沿う形でつまみを思い描くとお味噌を使った料理が合いそうだ。
パッと浮かんだのは岐阜の郷土料理「朴葉(ほうば)味噌焼き」。
小さな七輪の上で朴葉を敷いて、きのこやネギ、小さく刻んだ肉を絡めて焼く。
少し甘みのある味噌と素材の旨み、そして香ばしさが、この泡盛の特性と寄り添い合う。
畑仕事で疲れた体に味噌の塩分が心地よく酒を誘う。
寒い日だったらお湯割も良い。
ほっと一息ついて今日一日に感謝する。
1日の労をねぎらう酒と肴。
そんな関係を生み出せる泡盛だ。
「ハーヴェスト・ムーン」
ラベル・味・つまみのイメージをつなぎ合わせて辿り着いた音はニール・ヤングの「ハーヴェスト・ムーン」。
レコードを小さな音でかけて、月を眺めながら豊穣を喜び感謝する。
思いを込めて「豊年」を呑む。
「今日の泡盛を一語で表すと・・」
「実り」
*****(text by 梅田竹松)
当日の様子
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