泡盛部 第六期33蔵目:八重泉(八重泉酒造)レポート
2016年 10月 20日
泡盛部 第六期33蔵目:八重泉(八重泉酒造)レポート
日時:2016年10月13日
参加人数:12名
1995年(昭和30年)に創業、91年に現在の丘の上に移転し、八重山では最も近代的な施設を有しています。
代表銘柄の「八重泉」は常圧蒸留と減圧蒸留をブレンドし、飲み口の良い泡盛となっています。
他に樽貯蔵の「八重泉」、常圧蒸留の「黒真珠」が主な銘柄です。
他にハブ酒やパイナップルワインなどの製造もしています。
2016年の合宿にて、ご訪問をさせていただきました。
飲み方人気ランキング:
1位:水割り(5票)
2位:割燗(3票)
3位:ストレート(2票)
3位:ロック(2票)
①水割り②お湯割り③ストレート④ロック の順番で、参加者皆で足並みを揃えて飲む方式となっております。
*****
「おとぎ話」
髭をたっぷり蓄えた「八重泉」の文字。
山吹色に緑の文字。
そこには、おとぎ話の絵本の挿絵のような郷愁感が漂っている。
島に伝わる昔からのお話。
おじいがゆったりとした口調で語るお話に耳を傾けて、緩やかに酔いの揺れに身を預ける。
ラベルを見ているだけで、そんな想像力が沸き立ってくる。
「味のピンポン」
さて。
お味の方はというと。
石垣島の泡盛としては先進的で特徴的な造りをしている。
常圧蒸留と減圧蒸留で造られたもののブレンドを基本とし、古風味を活かしつつも新世代に受け入れられる味を作り出している。
そのバランス感覚はとても優れていて、香り、味ともに常圧・減圧の両方の存在を感じる。
泡盛特有の穀物香があるかと思えば、口に含んでからの鼻に抜ける香りはフルーティー。
口当たりはソフトでライト。なのに広がりは香ばしい。
そしてビターになって余韻が続く。
まるで二人の演者が台詞を交わし合うように、右に左にと味の球が行き交う。
「つまみは大将」
この味のバランス感はある意味頭脳派だ。
頭の回転が良く、ユーモアと絶妙なタイム感を持って場をならしていく能力のある人のようだ。
そう、たくさんの注文を一気に受けても、メモも取らずに頭の中で処理し、的確に皿に盛り分けていく「おでん屋の大将」。
客が話に夢中になっていても、間違いなく注文した品を一つずつ、頃合いを見計らって皿にのせていく。
会話の腰を折らずに、それでも一言添えながら、酒と肴を小気味よく口に運ばせる。
もしも「八重泉」の味を熟知している人が「おでん屋の大将」だったならば、なんて楽しいだろう。
「八重泉」に合うつまみは「おでん」、、なのではなく、おでんを操る「大将」だ。
「今日、また明日」
そんな大将が仕事を終えて、片付けをしながらかけるのはボブ・ディラン。
今日も「八重泉」を呑みながら口ずさむ
「Like a Rolling Stone」
今日も1日を終えて感じる一期一会。
その一期一会の重なりが人生の泉となる。
ラベルに目を戻すと、まるでこの文字はボブ・ディランの顔のようにも思えてくる。
「今日の泡盛を一語で表すと・・」
「転」
*****(text by 梅田竹松)
当日の様子
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