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もっと泡盛を日常に。


by awamoribu
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泡盛部 第六期7蔵目:瑞穂(瑞穂酒造)レポート

泡盛部 第六期7蔵目:瑞穂(瑞穂酒造)レポート
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日時:2016年1月28日
参加人数:13名

第六期の7回目は瑞穂(みずほ)酒造さんの「瑞穂」。
瑞穂酒造の歴史は古く、創業は1848年(嘉永元年)。
現在は首里末吉町に本社がありますが、首里鳥堀で創業しています。
今回いただく「瑞穂」は台湾の蓬莱米を使った泡盛になります。
他にもこれまで県産米を使った「島米」「楽風舞」
天然吟香酵母で仕込んだ「エンダー」など新しい試みの商品を数多く生み出しています。

飲み方人気ランキング:
1位:ストレート(10票)
2位:水割り(1票)
2位:割燗(1票)
2位:ロック(1票)

①水割り②お湯割り③ストレート④ロック の順番で、参加者皆で足並みを揃えて飲む方式となっております。

*****

「泡盛でもあり、泡盛ではない何か・・その心は」

圧倒的に票を集めた「ストレート」。
実はストレートが一位になるのは意外と珍しい。特に5期以降、水割りスタートになってからは。

水割りスタートでストレートにたどり着くとアルコール感が強くなり過ぎることもあり、評価が下がりがちだ。(逆にストレートスタートだと水割りが薄く感じて評価が下がる)
その中でストレートが選ばれた理由とは?

水割りに見えた不可思議
しかし、その前に、水割りに面白い発見があったので記しておく。
水割りを口に含んで思ったのは、いわゆる「泡盛感」が薄い。
”蓬莱米仕込み”故と思われたのだが、かといって米焼酎の方向でもない。

「なんだろう、これ。何か知ってる味だなぁ」と悩んで、思い出したのは
栗焼酎。
ブラインドで飲んだら、きっと僕はそう答える。飲めば飲むほどそう感じるから不思議だ。
ちなみに水割りにではないが”栗”というワードは何名かのテイスティングシートにも見つけられた。

謙虚なる個性
さて、ストレート。
オイリーな香りを通り抜け、口に含んでみると、また不思議な味が現れた。
アボカドやパパイヤのような青っぽい味わい。
そして、甘さも辛さも苦さもあるが、どれかが突出しているわけでもない。
泡盛らしさではないが、これはココにしかない個性であり、これは、トロピカル系・オリエンタル系なお料理にはとても相性が良いのかもしれない。
もしもそれが狙いなら食中酒に徹する謙虚な個性なのかもしれない

規格上は勿論、泡盛ではあるが、この酒には色々なワケがある。
この味はそのワケを意味付ける着地点と捉えれば、それが伝わる飲み方は「ストレート」だったと思う。


「掛け合いのループ」

首里最古の蔵元(創業1848年)を思わせる古文書にあるような「瑞穂」の文字はとても素敵だ。
和紙にこの文字だけのラベルがあっても良い。
それくらい独特で魅力的な字体だ。
色々な要素を盛り込みすぎだが、赤を基調としているのと、両サイドのデザインが台湾を想起させ、賑やかな食卓に添えたくなるボトルだ。

沢山の小皿料理が並ぶ食卓、小さな酒器に「瑞穂」を注ぎ、杯を重ねていく。
つまんでは呑み、つまんでは呑み、そのうちにゆらゆらと脳が渦巻く。
テーブルの上空を言葉が飛び交い、それがループしていく。

小山さんのリクエスト、水曜日のカンパネラの「ヒカシュー」
そのPVがこの酒と食の楽しみ方にシンクロした。
https://www.youtube.com/watch?v=OCQ5mYa9byQ

「ヒカシュー」が奇才・巻上公一氏率いるテクノポップバンドに由来するかどうかは知らない。
ただ、この曲の言葉の羅列と巻上氏の摩訶不思議な世界観とはどこかシンクロする。


オリエンタルな要素をミックスアップした結果、その場にしか生まれない瞬間的なグルーブ。
そんな楽しみ方でいいんじゃないか。
これとこれ・コレとコレ・core to core、その瞬間的一期一会の繰り返し。


「今日の泡盛を一語で表すと・・」

異邦。

日本でも沖縄でもないオリエンタルな酒。
泡盛でありながら泡盛でないような、摩訶不思議な味わいは
愛情を込めて「異邦酒」と呼びたい。

*****(text by 梅田竹松)

当日の様子
Facebookページのアルバム

https://www.facebook.com/awamoribu/posts/1028215393909658
by awamoribu | 2016-02-04 01:00 | 瑞穂:瑞穂酒造