泡盛部(白百合):池原酒造所
2010年 03月 11日
・日時:2010年3月4日
・参加人数:14名
・銘柄:白百合(しらゆり)
・おつまみ:かりんとう そばもちもんじゃ(のようなもの) くずもち カレー味のおこげスナック わさびまめ おつまみあられ チョコレートがけポテトチップ お雛様クッキー
第43回目は、池原酒造所さんの「白百合(しらゆり)」。
石垣島の5蔵目です。
シックというか、珍しい色合いのラベル。ビミョーにラスタカラー。
銘柄の通り、百合が描かれています。
キャップは共通タイプ。
一般的に「もっとも癖のある泡盛」の代名詞ともなっている銘柄。
それだけに好き嫌いが分かれることは必至。
すでに飲んだことがある人は、「他の人がどんな風に感じるか見たかった」や「改めて飲むとどうなのか確認のチャレンジ」など。いつもとは違う臨戦態勢。
さて、どんな結果になったか。
★ストレート:干草、湿気た畳、かび、土、ふすま、ハーブ、草むしりの後、バニラ、など、いつになく香り表現が豊富。香りのわりに味の表現は乏しく、「飲んでみると意外と大丈夫」「思ったより臭くない」など味そのものより香りとのギャップのコメントが多かった。土や蒸し米のような味わいの後に、花のような風味が出て、最後に甘み。「単純に臭いといえない複雑な美味しさが感じられる」という意見もあり。
★ロック:香りがやや華やかに。フルーティーな香りが感じられる。きりっとした分飲みやすくなり、マイルドな印象も。しかしながらカビっぽさや苦味が強く感じられる。「ひゃっこいカビ」というコメントも。後味はやはり甘い。「苦味は際立つがけっしてまずくはない」「勇気の出る味」など。
★水割り:カビのような香りは引いて、フルーティーな香りや砂糖のような甘い香りが出てくる。しかし、味の方は「苦味」が際立って感じられるという意見多数。「良さが薄れてクセだけ立つ」や「すべて中途半端」「ピンボケの味」や直球で「のみにくい。後味がよくない」「苦手」など。結構な酷評。。
★お湯割り:香りが立つ。華やかな感じで香りが引き立つ。のみやすくなったという意見が多い。やわらかな印象になり、ほっとする印象。「ずっと温かい状態で飲みたい」という意見あり。「うまいけど、冷めたら水割り」という同意の別表現も。
前回の「玉の露」よりもさらに振り幅が広く、ベクトルが振り切れている感じ。コメントの表現も豊富で、個性が強いことで部員の人たちの表現意欲が沸き立ってくるのが面白い。
前振りや先入観が大きかったからか、「苦手だったのにおいしく飲めた」「見方が変わった」など、結果的に好評価に。
また、初心者(泡盛3~4回目くらい)の方で「いままでで一番のみやすい」との意見も。
非常に珍しいことに、「順位付け」もたくさんの方が書き込み、その上それが高確率で同じという結果がでました。
1位:ストレート
2位:お湯割
3位:ロック
4位:水割
が14名中5名。
すべて一緒でなくても
1位:ストレート
4位:水割り
が多く。
1位:ストレート
ではない人は
1位:お湯割 (4名)
水割りの不人気が圧倒的でした。
・・・FOOD・・・
今回のフードは「もんじゃ(のようなもの)」。
いただきものの「そば」と手のついた「もち」があったので『そばもちもんじゃ』にしてみました。
水分が少なくて、あんかけ焼きそばみたいになってしまいました(笑)
トマトのフリーズドライ粉末を加えて、イタリアーンに。
何か新しい食べ物になってました。
少しあまった蕎麦をオリーブオイルで炒めて、アンチョビを加えて「ソバロンチーニ(?)」。(にんにくがなかったので、かなりややパンチがゆるかった)
その他、差し入れで、
部員のBヤンが「パティシエールの妹が作ったお雛様クッキー」・部員16くんが北海道の「Royce」のチョコがけポテチを。
部員Mさんがおこげスナック、新入部員のSさんがわさびまめなど。
そしてBヤンがもうひとつ、船橋屋の「くずもち」。黒蜜が泡盛にぴったり!と絶賛でした。
合わせたいお料理・肴・・・
タンドリー、羊肉餃子、ごま油を使った天ぷら、にんにくのきいた鳥唐揚げ、チリビーンズ、かにみそ、チキンラーメン(調理前)、セロリ、きゅうり、ラフテー、ほや、ゆで落花生、エスニック、中華、広東料理、ゼリービーンズ、はっきりした味のもの、甘いもの
またまたいろいろ出てきましたね!想像を掻き立てるようです。
・・・MUSIC・・・
まずは挙がったもの
フィフティーズ、アフリカンミュージック(スローなやつ)、レゲエ、ファズギター使ったもの、ユッスー・ンドゥール、中村あゆみ、ボー・ディドリー、ロバート・ジョンソン、憂歌団、
など。
アフリカン(ちょっとビートが速かった)、ゆらゆら帝国などをさらっとかけて、その後「ROCKERS」のサントラをかけた後、こちらへ。
1973年発表のボブ・マーリーの名作。
ルーツレゲエの土臭さやざらつきが感じられ、ジャマイカの空気が詰まっているようなサウンドです。
「白百合」の持つ個性的な土のような味・香りがこのサウンドとリズムとうまくマッチ。
ボブ特有の温かみのあるやわらかハスキーボイスもあいまって、
ある意味、劇的な「酒と音のマリアージュ」と言えるかもしれない。
どんどんと「洗練」や「のみやすさ」という名の下に均一化されていく泡盛が多くなるなかで、一口で『白百合』
だとわかる味をつくるというのは、好み云々を通り超えたリスペクトを感じさえする。
頑固なのか、不器用なのかわからないけれど、好き嫌いがはっきりするような独特の味を守り続けることは凄い。
このブログの内容を考えながら、頭に浮かんだのが「寅さん」。
人情深くて、喧嘩っ早い、でも筋は通ってる不器用な男。
「なんかそんな味だなぁ」と思っていて、ふと気づいた。
そういえば、寅さんシリーズの中で外すことの出来ないマドンナに「リリー」という浅丘ルリ子演ずるマドンナがいるではないか!
そして、リリー三部作のひとつは沖縄が舞台となっている。
周りにどんなに言われようと好いた女を守ってあげるのが寅さんである。
クセの強い「白百合」はその味・香について色々言われているかと思う。
しかしそれでも頑なに自分の好いた味を守り続けている。
「オレのリリー」。
確実に愛が燃えている泡盛だ。
「BURNIN'」。
この泡盛も、もちろん直火蒸留だ。
そしてラベルはビミョーにラスタカラー。
★必読:部員Aさんによる泡盛部レポート ”裏”公式ブログ!?
は、都合によりお休みです。