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もっと泡盛を日常に。


by awamoribu
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泡盛部(時雨):識名酒造

【時に酔いしれる】
・日時:2009年7月9日
・参加人数:14名
・銘柄:時雨(しぐれ) 
・おつまみ:かりんとう  千葉・内山さんの玉ねぎ さくらんぼの浅漬け 黒糖胡桃
 
第23回目は、識名酒造さんの「時雨」。
戦時中に全滅したと言われる100年以上の古酒を現在唯一持つ蔵元さんです。
現存する最古の泡盛は140年ものだそうで、それは現社長も口にしたことがないそうです。
(勿論それは販売はしてません)
ラベルにある「古風味豊か」というコピーもそんな裏打ちのあってこそ活きるものかと。
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キャップは、共通タイプのひとつのこれ
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そして裏をみると、酵母の説明が。
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実はこの日は、詰め日の違う3種の「時雨」を飲んだのですが、この裏貼りがあるのは’09ものだけ。
今年から変わったのかは不明。

基本的なテイスティングに使ったのは
2009・4・15

比較で飲んだのは
2008・8・19
2006・4・10(瓶内熟成古酒!)

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2006年ものは瓶の高さも違います。
キャップはそれぞれ違いました。

★ストレート:香りはしっかりと穀物の感じがある。この香りがOKな方には味のほうもポジティブな意見が多い。香りについてのコメントがない方は、一様に「ぴりぴりくる」という味のコメントが先立つ。アルコール感が
高いという印象が多い。穀物・麦のようなところから、さらに突き詰めると熟したトロピカルフルーツのような印象がある。

★ロック:ストレートにネガティブな印象を持った方はロックの印象がポジティブ。飲みやすくなる。すっきりするなどの意見が多い。逆にストレート派の方たちは「すっきりしすぎる」や「味がとんがる」「味が固まる」などの
ややネガティブな表現が目立つ。

★水割り:甘くなるという意見が多い。香りは引くけれどしっかりと残る。味の広がりが生まれるという好印象や苦味が立つという意見も。穀物感が増すという意見も多め。「トマトの味」というコメントも

★お湯割り:香りは穀物感が引きアルコールの感覚が立つ。香りが苦手な方には悪印象。「鼻につく」などの意見も。飲み口はやわらかくなるので、「まろやか」「ほっとする」などのコメントが挙がっている。


驚くほどに感想が分かれて興味深い。それぞれの飲み方によって個性が引き立っていて、飲み手の好みによって愛情の度合いが変わる気がする。
一本の泡盛でこれほど意見が交錯するのも珍しい。


’08(上)’06(下)それぞれの方のコメント

・口当たりやわらか。甘味少なく麹の渋みを感じる。
・甘味と辛味が同時に来る

・バナナ香。何か抜けたような。ぼやけてる。
・さらにバナナ。マンゴー?まるい!

・アルコールが目に来た。舌のぴりぴり感はなくなった
・アルコールの香り立ちがなくなった。マイルドになっておいしい。こんなに変わるんだ。

・香りに甘さが増した。若干のフーゼル臭。個性を伝えながら変化。
・香りが弱くなり全体にまろやかになりつつも元々ある個性が最後までその姿を保つ。甘味も心地よい。

・香りも味も強くなりますね
・香りがわからなくなりました。でも味はびりびりしてきついです。


・・・FOOD・・・

千葉の内山和さんがつくるオーガニック認証の玉ねぎ。
水にさらさずに食べられて、非常に甘味のある玉ねぎです。

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それに沖縄の塩「シーサーミネラル21塩(ぬちまーす)」をふり、トスカーナのオーガニックexバージンオリーブオイルを。
シンプルにして贅沢な味わい。

ちょっとアレンジ。
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浜松・三方原の新鮮じゃがいもを使ったポテトチップをフレークでトッピング。

これぞ珍味??
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さくらんぼの浅漬け。
味はというと・・・、クリームソーダに乗っかってくるような味。
妙に甘くて妙にしょっぱい。不思議だがちょっと懐かしい味。

部長のお土産、岐阜の焼酎bar Bonappetit のマスターにいただいた、山形の黒糖胡桃。
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各地で作られていますが、これ中々の美味品でした。

かりんとうは「多胡麻」「生姜」「黒糖」の人気が高かった。
なんか渋いセレクトでいい。

合わせたい料理・肴では
ハンバーグ・カツなどソースもの、もずく酢、うみぶどう、らっきょう、すっぱいもの、山羊のチーズ、胡麻豆腐、煮魚、白身魚の漬け、貝の刺身
など色々挙がりました。


・・・MUSIC・・・

まず挙がったのがモダンジャズやビートの利いたものなど。粋な大人なサウンドという切り口。
マイルスやコルトレーンのとんがった感じ。

その他、ツェッペリン、大瀧詠一、ユーミン(「ヴェルヴェット・イースター」)、「雨」とつくタイトルの曲。

飲み方による味の好みがばらばらだったからか、なんだかイメージがまとまらぬ雰囲気で音楽のイメージが広がらなかったご様子。

そこで、ちょっとパンチの効いた曲から始めようかと、SOIL & THE PIMP SESSIONSでスタート。
ぐぐっと部室の温度が上がる。
「温度を上げて雨を降らす!」なんて発言も。

そして、こんな隠し玉。
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ここぞの時のネタとでも言いますか、かなりかっこいい武田真治の一曲「Blow Up」

そしてアルバムはなかなか粒そろいの好盤
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そして時代はぐーーーーんと遡って60年前!
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1949年のパリでのマイルス・デイビスのクインテットでのライブ盤。

もちろん音質は粗々しいけれども、その場の空気感が伝わってきます。
(時代的には「birth of cool」が録音された頃のようです)

ビバップから始まり様々なジャズシーンを開拓してきたマイルス。
その時代時代によって変化・進化する音楽でファンを酔わせてきました。

最後のアルバム「doo-bop」ではHIPHOPと歩み寄り、新たなるcoolを創り上げていました。
そのアルバムには「BLOW」という曲が入っています。


「時雨」の意味は降ったり止んだりする雨のこと。またはちょうどよい時に降る雨。

管楽器を激しく吹くことをBLOWと呼びます。
心地よいタイミングで入ってくるサックスやトランペットのBLOWは気持ちが高揚し、いつまでも続けていて欲しい気持ちになります。

そう思うと、この泡盛の飲み方による味の変化の激しさはBLOWのようであり、その生々しい荒々しさが時代が変化しても人を魅了し続ける秘密なのかもしれません。


今回は、現存最古の140年前の泡盛のある蔵だったし、3種の年の違う酒を楽しんだり、60年の時間を飛び越えたり、と期せずして「時」を楽しめる梅「雨」時の一本となりました。



久々にターボ部員も来ました。
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by awamoribu | 2009-07-15 22:04 | 時雨:識名酒造